調査の要点
時計・カメラ業界の上場6社(腕時計・カメラ・交換レンズのメーカーと、専門店)の有価証券報告書(以下、有報)を1社ずつ確認しました。広告宣伝費の金額を開示していたのは6社です。このうち、広告費と売上を同じ連結基準で比較できる5社を集計しました。売上に対する広告費は、中央値で5.06%。粗利(売上総利益)に対しては11.4%です。時計・カメラ業界の中央値(5.06%)は、上場企業全体の中央値2.10%と比べて高い水準です。ただし比率を出せたのは5社で、業界全体を代表する数字ではありません。
中央値(5社/上場企業全体1,129社は2.10%)
中央値(5社)
同じ6社の前期合計比 +2.3%
金額は会社全体の広告宣伝費です。他の事業の比重が大きい会社は、その事業分も含まれます。
広告宣伝費とは別に、販売促進費を分けて開示している会社が3社あります(合計83.7億円)。金額が最も大きいのはカシオ計算機で、販売促進費は68.3億円です。広告宣伝費は140億円(連結)です。広告宣伝費と販売促進費のどちらに計上するかは、会社ごとに異なります。
※ 上の874億円は、対象6社の合計です。上場企業に限った金額で、業界全体の広告費ではありません。
会社ごとの数字とランキングは、資料(Excel)にまとめています。
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同じ時計・カメラ業界でも、事業タイプによって広告費の比率は変わります。時計が売上の7.03%、カメラ・レンズは2.04%です。粗利に対しては時計が16.3%、カメラ・レンズが4.9%と、粗利で見ても差があります。自社の目安を考えるときは、業界全体の中央値(5.06%)ではなく、自社に近い事業タイプの数字を参考にしてください。
| 事業タイプ | 会社数 | 割合を出せる会社 | 広告費 ÷ 売上 | 広告費 ÷ 粗利 | 粗利率 | 金額の幅 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 時計 | 3社 | 3社 | 7.03% | 16.3% | 44.2% | 140億円〜258億円 |
| カメラ・レンズ | 2社 | 2社 | 2.04% | 4.9% | 42.5% | 6.5億円〜224億円 |
| 専門店 | 1社 | 0社 | — | — | — | — |
表1:事業タイプ別の広告宣伝費(中央値)/出所:金融庁EDINET 有価証券報告書(株式会社ルミエール集計)
比率と粗利率は中央値です。金額の幅は、比率を算出できる会社の最小〜最大です。該当が1〜2社の事業タイプは、中央値ではなく各社の数値がそのまま反映されます。比率は費用と売上をいずれも連結基準で算出しています。基準の異なる会社は比率の集計から除外し、金額の合計には含めています。
自社と近い規模・タイプの会社の数字を、Excelで確認できます。
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| 区分 | 会社数 | 広告宣伝費を開示 | 売上高広告費比率 | 広告費/売上総利益 | 広告宣伝費の合計 | 売上の伸び(3年) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1,000億円以上 | 4社 | 4社 | 6.05% | 13.9% | 866億円 | +3.7% |
| 100億円〜1,000億円 | 2社 | 2社 | 0.77%(1社) | 1.8%(1社) | 7.5億円 | +7.3% |
売上規模で区分しています。分母が変わるため、同じ金額でも比率の見え方は変わります。比率は、広告宣伝費を開示していて同じ基準で算出できる会社の中央値です。
表2:売上規模・上場市場別に見た広告宣伝費/出所:金融庁EDINET 有価証券報告書(株式会社ルミエール集計)。比率は、広告宣伝費と同じ基準の売上高で算出できる会社の中央値です(単体のみ開示の会社は除いています)。
自社に近い会社を1社ずつ確かめられます。売上高の大きい順です。会社名から、その会社の有価証券報告書(PDF)をご覧いただけます。
| 会社名 | 事業タイプ | 売上高 | 広告宣伝費 | 売上比 | 事業の内容 |
|---|---|---|---|---|---|
| ニコン | カメラ・レンズ | 6,772億円 | 224億円販促込み | 3.31% | カメラと精密機器・ヘルスケア |
| シチズン時計 | 時計 | 3,468億円 | 244億円 | 7.03% | 時計と工作機械・デバイス |
| セイコーグループ | 時計 | 3,357億円 | 258億円販促込み | 7.70% | 時計とデバイス・システム |
| カシオ計算機 | 時計 | 2,763億円 | 140億円 | 5.06% | 時計が売上の67%。ほかに電卓・電子辞書・電子楽器 |
| タムロン | カメラ・レンズ | 851億円 | 6.5億円 | 0.77% | 交換レンズと監視カメラ・FA |
| シュッピン | 専門店 | 519億円(単体) | 9,460万円 | 0.18%単体 | カメラ・時計の専門店とEC |
表3:上場6社の広告宣伝費一覧/出所:金融庁EDINET 有価証券報告書(株式会社ルミエール集計)
「単体」は、広告宣伝費を提出会社(単体)だけで開示している会社です。売上高・売上比とも単体の数値です。「販促込み」は、広告宣伝費と販売促進費を合わせて開示している会社です(IFRSの「広告宣伝費及び販売促進費」など)。売上比は、表示している金額(四捨五入後)ではなく、有価証券報告書の元の金額から計算しています。会社ごとの細かい数字は資料にまとめています。
集客手段は、有価証券報告書の本文に記載があるかどうかで集計しました。下のグラフは、6社のうち何社がその言葉を記載していたかを示しています。最も多いのはEC・通販で6社。SNS・デジタルは3社、直営店・旗艦店は1社でした。ただし有報は投資家に向けた書類です。日々の施策までは書かれないことがあります。
表4:有価証券報告書の本文に記載があった会社の数/出所:金融庁EDINET 有価証券報告書(株式会社ルミエール集計)
分母は6社です。記載がない会社でも、その手段を実施している場合があります。ページに掲載していない項目と、43のマーケティング手法の集計結果は資料に収録しています。
同じ6社を売上の伸び(3年の年平均)で並べ、伸びが大きい3社と小さい3社で、広告投資の動きを比べました。
売上に対する広告費の比率は、伸びが大きいグループが7.03%、小さいグループが4.19%でした。前年からの増減で見ると、伸びが大きいグループが+7.9%、小さいグループが-3.3%です。
| グループ | 売上の伸び | 広告費 ÷ 売上 | 広告費 ÷ 粗利 | 広告費の前年比 | 広告宣伝費を開示 |
|---|---|---|---|---|---|
| 伸びが大きい3社 | +8.8% | 7.03% | 16.3% | +7.9% | 3社 |
| 伸びが小さい3社 | +2.5% | 4.19% | 9.8% | -3.3% | 3社 |
今回の対象では、広告費を増やした会社と減らした会社で、売上の伸びにほとんど差はありませんでした。3年の伸びを計算できる会社で比べると、増やした3社は年平均+4.8%、減らした3社は+4.4%です。
表5:売上の伸びが大きい会社と小さい会社の比較/出所:金融庁EDINET 有価証券報告書(株式会社ルミエール集計)
グループは売上の伸びだけで分けています。会社の優劣を示すものではありません。広告宣伝費を開示しているかどうかは問いません。売上の伸びは各3社の中央値、売上に対する割合と粗利に対する割合は、同じ基準で比べられる3社/2社、広告費の前年比は3社/3社の中央値です。
有価証券報告書の本文から、集客に関する記載を引用します。広告が売上を伸ばした根拠ではありません。
今後も様々な情報の発信を通じて、当社およびブランド認知度の向上、集客のためのプロモーション強化を積極的に行い、当社ECサイトの新たな利用者を増やしていくことが必要と考えております。
広告費の増減を社内で検討するとき、代理店や取引先と予算を相談するときにお使いください。自社の数値を入力すると、同じ事業タイプの上場企業の中央値と比べた位置が表示されます。金額は万円単位で入力してください(5億円なら 50000)。入力内容はブラウザ内でのみ計算し、外部には送信されません。
目安は、同じ事業タイプの上場企業の中央値に自社の売上高・粗利をかけた金額です。適正な広告費ではなく、比べるための数字としてご覧ください。上場企業だけの数字で、非上場の会社は入っていません。
ページに載せていない数値も含めて、6社分を1つのExcelにまとめています。
売上高と広告費を入力すると、同じ事業タイプの会社と比べた位置と、目安の金額がわかります。
対象の6社について、売上に対してどれだけ使っているかを会社ごとに確認できます。対象6社の売上・粗利・販売促進費・従業員数・主な事業の売上構成比も収録し、規模や事業タイプで絞り込めます。
広告宣伝費に含めた勘定科目と、各社の有価証券報告書PDFへのリンクを収録しています。
ほかに、ランキング6種(金額・売上高広告費比率・広告費/売上総利益・前年比・売上高成長率・営業利益率)と、43の集客手法の言及状況(言及が多いほど濃い色)。全5シートです。数値の出典は、各社の有価証券報告書PDFへのリンクから確認できます。
形式:Excel(xlsx)対象:法人の方(無料)出典:金融庁EDINET
社内での検討・共有にお使いください。当社が集計した表やグラフを外部へ転載するときは「株式会社ルミエール集計・金融庁EDINET」と明記してください。有価証券報告書から引用した文章の権利は各社に帰属します。転載の際は、各社の有価証券報告書をご確認ください。
会社のメールアドレスをご入力いただくと、ダウンロードのリンクをすぐにお送りします。
対象:時計・カメラ業界の上場6社(腕時計・カメラ・交換レンズのメーカーと、専門店)/決算期:2025年12月期〜2026年3月期/出典:金融庁EDINET 有価証券報告書(2026年3月26日〜2026年6月25日提出)/集計:株式会社ルミエール(2026年9月24日公開)
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