RESEARCH

時計・カメラ業界の広告費の割合(売上比率)調査2026

調査の要点

  1. 売上に対する広告宣伝費は5.06%(5社の中央値)。上場企業全体の2.10%より高い水準です。粗利(売上総利益)に対しては11.4%。
  2. 売上に対する広告宣伝費の比率は、事業タイプで3.4倍の開き。時計が7.03%(3社の中央値)、カメラ・レンズは2.04%(2社の中央値)です。
  3. 集客手段の記載で最も多いのはEC・通販で、6社中6社。SNS・デジタルは3社、直営店・旗艦店は1社でした(有価証券報告書の本文に記載があった会社数)。

対象:時計・カメラ業界の上場6社(腕時計・カメラ・交換レンズのメーカーと、専門店)/決算期:2025年12月期〜2026年3月期/出典:金融庁EDINET 有価証券報告書(株式会社ルミエール集計)

1.時計・カメラ業界の広告費の割合(売上高広告費比率)

時計・カメラ業界の上場6社(腕時計・カメラ・交換レンズのメーカーと、専門店)の有価証券報告書(以下、有報)を1社ずつ確認しました。広告宣伝費の金額を開示していたのは6社です。このうち、広告費と売上を同じ連結基準で比較できる5社を集計しました。売上に対する広告費は、中央値で5.06%。粗利(売上総利益)に対しては11.4%です。時計・カメラ業界の中央値(5.06%)は、上場企業全体の中央値2.10%と比べて高い水準です。ただし比率を出せたのは5社で、業界全体を代表する数字ではありません。

広告宣伝費 ÷ 売上5.06%

中央値(5社/上場企業全体1,129社は2.10%)

広告宣伝費 ÷ 粗利11.4%

中央値(5社)

広告宣伝費の合計(6社)874億円

同じ6社の前期合計比 +2.3%

時計・カメラ業界の広告宣伝費ランキング(上位3社)

金額は会社全体の広告宣伝費です。他の事業の比重が大きい会社は、その事業分も含まれます。

  1. セイコーグループ258億円売上比 7.70%(販売促進費を含む)
  2. シチズン時計244億円売上比 7.03%
  3. ニコン224億円売上比 3.31%(販売促進費を含む)

広告宣伝費とは別に、販売促進費を分けて開示している会社が3社あります(合計83.7億円)。金額が最も大きいのはカシオ計算機で、販売促進費は68.3億円です。広告宣伝費は140億円(連結)です。広告宣伝費と販売促進費のどちらに計上するかは、会社ごとに異なります。

※ 上の874億円は、対象6社の合計です。上場企業に限った金額で、業界全体の広告費ではありません。

会社ごとの数字とランキングは、資料(Excel)にまとめています。

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2.事業タイプ別の広告費の割合(時計・カメラ・専門店)

同じ時計・カメラ業界でも、事業タイプによって広告費の比率は変わります。時計が売上の7.03%、カメラ・レンズは2.04%です。粗利に対しては時計が16.3%、カメラ・レンズが4.9%と、粗利で見ても差があります。自社の目安を考えるときは、業界全体の中央値(5.06%)ではなく、自社に近い事業タイプの数字を参考にしてください。

事業タイプ別の広告宣伝費
事業タイプ会社数割合を出せる会社広告費 ÷ 売上広告費 ÷ 粗利粗利率金額の幅
時計3社3社 7.03% 16.3% 44.2% 140億円〜258億円
カメラ・レンズ2社2社 2.04% 4.9% 42.5% 6.5億円〜224億円
専門店1社0社 — — — —

表1:事業タイプ別の広告宣伝費(中央値)/出所:金融庁EDINET 有価証券報告書(株式会社ルミエール集計)
比率と粗利率は中央値です。金額の幅は、比率を算出できる会社の最小〜最大です。該当が1〜2社の事業タイプは、中央値ではなく各社の数値がそのまま反映されます。比率は費用と売上をいずれも連結基準で算出しています。基準の異なる会社は比率の集計から除外し、金額の合計には含めています。

自社と近い規模・タイプの会社の数字を、Excelで確認できます。

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3.売上規模・上場市場別に見た広告費の割合

同じ6社を、売上規模・上場市場・記載の有無で整理しました。自社に近い条件の行をご覧ください。

売上規模別の広告費の割合

売上規模別の広告費の割合
区分会社数広告宣伝費を開示売上高広告費比率広告費/売上総利益広告宣伝費の合計売上の伸び(3年)
1,000億円以上4社4社 6.05%13.9% 866億円+3.7%
100億円〜1,000億円2社2社 0.77%(1社)1.8%(1社) 7.5億円+7.3%

売上規模で区分しています。分母が変わるため、同じ金額でも比率の見え方は変わります。比率は、広告宣伝費を開示していて同じ基準で算出できる会社の中央値です。

表2:売上規模・上場市場別に見た広告宣伝費/出所:金融庁EDINET 有価証券報告書(株式会社ルミエール集計)。比率は、広告宣伝費と同じ基準の売上高で算出できる会社の中央値です(単体のみ開示の会社は除いています)。

4.時計・カメラ業界の上場企業6社の広告宣伝費一覧

自社に近い会社を1社ずつ確かめられます。売上高の大きい順です。会社名から、その会社の有価証券報告書(PDF)をご覧いただけます。

対象にした会社の売上高と広告宣伝費
会社名事業タイプ売上高広告宣伝費売上比事業の内容
ニコン カメラ・レンズ 6,772億円 224億円販促込み 3.31% カメラと精密機器・ヘルスケア
シチズン時計 時計 3,468億円 244億円 7.03% 時計と工作機械・デバイス
セイコーグループ 時計 3,357億円 258億円販促込み 7.70% 時計とデバイス・システム
カシオ計算機 時計 2,763億円 140億円 5.06% 時計が売上の67%。ほかに電卓・電子辞書・電子楽器
タムロン カメラ・レンズ 851億円 6.5億円 0.77% 交換レンズと監視カメラ・FA
シュッピン 専門店 519億円(単体) 9,460万円 0.18%単体 カメラ・時計の専門店とEC

表3:上場6社の広告宣伝費一覧/出所:金融庁EDINET 有価証券報告書(株式会社ルミエール集計)
「単体」は、広告宣伝費を提出会社(単体)だけで開示している会社です。売上高・売上比とも単体の数値です。「販促込み」は、広告宣伝費と販売促進費を合わせて開示している会社です(IFRSの「広告宣伝費及び販売促進費」など)。売上比は、表示している金額(四捨五入後)ではなく、有価証券報告書の元の金額から計算しています。会社ごとの細かい数字は資料にまとめています。

5.集客方法の傾向(直営店・EC・通販・SNS・デジタル)

集客手段は、有価証券報告書の本文に記載があるかどうかで集計しました。下のグラフは、6社のうち何社がその言葉を記載していたかを示しています。最も多いのはEC・通販で6社。SNS・デジタルは3社、直営店・旗艦店は1社でした。ただし有報は投資家に向けた書類です。日々の施策までは書かれないことがあります。

  • EC・通販 6社
  • SNS・デジタル 3社
  • 直営店・旗艦店 1社

表4:有価証券報告書の本文に記載があった会社の数/出所:金融庁EDINET 有価証券報告書(株式会社ルミエール集計)
分母は6社です。記載がない会社でも、その手段を実施している場合があります。ページに掲載していない項目と、43のマーケティング手法の集計結果は資料に収録しています。

6.売上の伸びと広告費の関係

伸びが大きい3社+7.9%広告宣伝費の前年比(中央値)
伸びが小さい3社-3.3%広告宣伝費の前年比(中央値)

同じ6社を売上の伸び(3年の年平均)で並べ、伸びが大きい3社と小さい3社で、広告投資の動きを比べました。

売上に対する広告費の比率は、伸びが大きいグループが7.03%、小さいグループが4.19%でした。前年からの増減で見ると、伸びが大きいグループが+7.9%、小さいグループが-3.3%です。

売上の伸びが大きい会社と小さい会社の比較
グループ売上の伸び広告費 ÷ 売上広告費 ÷ 粗利広告費の前年比広告宣伝費を開示
伸びが大きい3社+8.8%7.03%16.3%+7.9%3社
伸びが小さい3社+2.5%4.19%9.8%-3.3%3社

今回の対象では、広告費を増やした会社と減らした会社で、売上の伸びにほとんど差はありませんでした。3年の伸びを計算できる会社で比べると、増やした3社は年平均+4.8%、減らした3社は+4.4%です。

表5:売上の伸びが大きい会社と小さい会社の比較/出所:金融庁EDINET 有価証券報告書(株式会社ルミエール集計)
グループは売上の伸びだけで分けています。会社の優劣を示すものではありません。広告宣伝費を開示しているかどうかは問いません。売上の伸びは各3社の中央値、売上に対する割合と粗利に対する割合は、同じ基準で比べられる3社/2社、広告費の前年比は3社/3社の中央値です。

有価証券報告書の記載から

有価証券報告書の本文から、集客に関する記載を引用します。広告が売上を伸ばした根拠ではありません。

今後も様々な情報の発信を通じて、当社およびブランド認知度の向上、集客のためのプロモーション強化を積極的に行い、当社ECサイトの新たな利用者を増やしていくことが必要と考えております。
シュッピン 2026年3月期・経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 有報PDF

7.広告費シミュレーション:自社の広告費を時計・カメラ業界の上場企業と比べる

広告費の増減を社内で検討するとき、代理店や取引先と予算を相談するときにお使いください。自社の数値を入力すると、同じ事業タイプの上場企業の中央値と比べた位置が表示されます。金額は万円単位で入力してください(5億円なら 50000)。入力内容はブラウザ内でのみ計算し、外部には送信されません。

万円
%
万円

目安は、同じ事業タイプの上場企業の中央値に自社の売上高・粗利をかけた金額です。適正な広告費ではなく、比べるための数字としてご覧ください。上場企業だけの数字で、非上場の会社は入っていません。

無料資料:時計・カメラ業界の広告費データ(上場6社・Excel)

ページに載せていない数値も含めて、6社分を1つのExcelにまとめています。

01自社の位置がすぐわかる

売上高と広告費を入力すると、同じ事業タイプの会社と比べた位置と、目安の金額がわかります。

02同業の広告費を会社ごとに比較

対象の6社について、売上に対してどれだけ使っているかを会社ごとに確認できます。対象6社の売上・粗利・販売促進費・従業員数・主な事業の売上構成比も収録し、規模や事業タイプで絞り込めます。

03出典まで追える

広告宣伝費に含めた勘定科目と、各社の有価証券報告書PDFへのリンクを収録しています。

ほかに、ランキング6種(金額・売上高広告費比率・広告費/売上総利益・前年比・売上高成長率・営業利益率)と、43の集客手法の言及状況(言及が多いほど濃い色)。全5シートです。数値の出典は、各社の有価証券報告書PDFへのリンクから確認できます。

形式:Excel(xlsx)対象:法人の方(無料)出典:金融庁EDINET

社内での検討・共有にお使いください。当社が集計した表やグラフを外部へ転載するときは「株式会社ルミエール集計・金融庁EDINET」と明記してください。有価証券報告書から引用した文章の権利は各社に帰属します。転載の際は、各社の有価証券報告書をご確認ください。

資料の中身(シミュレーション・ランキング・一覧のシート)
図2:資料の中身(一部)。左上の黄色いセルに自社の数値を入力すると、同じ事業タイプの会社と比べた位置が表示されます。

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法人の方向けの資料のため、会社のメールアドレスをお願いします(Gmail・Yahoo!メール・携帯のアドレスには、お送りしていません)。

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調査方法と注意点

対象:時計・カメラ業界の上場6社(腕時計・カメラ・交換レンズのメーカーと、専門店)/決算期:2025年12月期〜2026年3月期/出典:金融庁EDINET 有価証券報告書(2026年3月26日〜2026年6月25日提出)/集計:株式会社ルミエール(2026年9月24日公開)

  • 金融庁EDINETに提出された有価証券報告書のXBRLから、数値および本文を自動で抽出しています。
  • 対象企業は、セグメント情報(事業別の売上)と本文のキーワードで候補を抽出し、最終的に1社ずつ事業内容を確認して選定しました。選定・除外の基準は資料に記載しています。
  • 広告宣伝費は、販売費及び一般管理費の内訳等で金額を開示している企業のみを集計しています(時計・カメラ業界は6社/6社)。「—」は、有価証券報告書から金額を確認できなかった企業です。
  • 比率は、広告宣伝費と同一基準の売上高で算出しています(連結の費用は連結売上高、単体の費用は単体売上高)。単体のみ開示の1社は比率の集計から除外し、金額の合計には含めています。
  • 対象は上場企業のみです。非上場企業を含まないため、時計・カメラ業界全体の平均値ではありません。
  • 売上高の成長率と広告宣伝費の関係は、対象社数が限られるため、因果関係を示すものではありません。傾向としてご覧ください。

おことわり

  • 本調査は、各社が公開する有価証券報告書をもとに、株式会社ルミエールが独自に集計したものです。掲載企業の許諾・確認を受けたものではありません。
  • 数値および引用は、2026年9月24日時点で確認できた内容です。訂正報告書の提出等により、事後に内容が変わる場合があります。正確性には注意を払っていますが、誤りが含まれることがあります。
  • 本調査は、企業の評価や株式の売買等の投資判断に用いることを目的としたものではありません。
  • 資料の「自社の目安」で算出される金額は、上場企業の中央値をもとにした参考値です。適切な広告宣伝費は、企業の規模・地域・販売形態により異なります。
  • 株式会社ルミエールは、検索およびAI検索への対応を支援する会社です。本調査は公開情報の集計であり、掲載企業との取引や依頼に基づくものではありません。
  • 会社名・商品名・サービス名は、各社の商標または登録商標です。

掲載内容の誤りにお気づきの際は、お問い合わせよりご連絡ください。

時計・カメラ業界の広告費についてよくある質問

時計・カメラ業界の広告費(広告宣伝費)は、売上の何パーセントですか?
中央値は売上の5.06%です。上場6社のうち広告宣伝費を開示しているのは6社、費用と同じ基準の売上で割合を出せたのは5社です。その5社で見ると、下位25%の水準は2.04%、上位25%の水準は7.36%でした。粗利(売上総利益)に対する中央値は11.4%。上場企業全体(1,129社)の売上比の中央値は2.10%です。
時計の広告費は、売上の何パーセントが目安ですか?
時計のうち、広告宣伝費と売上を同じ基準で比較できる3社では、中央値が売上の7.03%、粗利に対して16.3%です。金額でみると140億円〜258億円の幅があります。カメラ・レンズは売上の2.04%、粗利の4.9%です。上場企業に限った数値であり、非上場企業を含む業界平均ではありません。
時計やカメラの会社の集客では、どんな施策が有価証券報告書に書かれていますか?
上場6社の有価証券報告書の本文では、直営店・旗艦店が1社、EC・通販が6社、SNS・デジタルが3社でした。記載がない会社が、その施策を実施していないとは限りません。
この数字は、非上場の会社にも当てはまりますか?
そのまま自社に当てはめることはできません。上場6社だけの数字で、非上場の会社は入っていないためです。自社に近い事業タイプの数値(時計なら売上の7.03%、粗利の16.3%)を目安に、自社の比率が高いか低いかを確かめる使い方が向いています。

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